令和カルチャーって、なに|森脇透青+山内萌+吉田とらじろう+植田将暉

元号が新しくなって8年になった。そのあいだ、わたしたちがそのなかを生きているカルチャーはどのように変化してきたのだろう。まだ輪郭を持たない「令和カルチャー」に、これから言葉を与えてみたい。
どんなコンテンツが流行っているのか。だれがカルチャーをつくっているのか。その背景にあるものはなにか。批評家の森脇透青、メディア研究者の山内萌に、令和のカルチャー事情を語りあってもらった。司会は、批評家の吉田とらじろう。そこに編集者の植田将暉も加わった。
まさにいま生まれつつある文化をどのようにして言葉でとらえるか。手探りの状態からはじまった「令和カルチャー」をめぐる座談会。批評が立ち上がるその瞬間に、あなたもぜひ立ち会ってほしい。
吉田とらじろう いま、この記事を読みはじめたひとたちは、そもそも「令和カルチャーって、なに?」とクエスチョンマークを浮かべているかもしれません。じつは、ぼくたち自身もよくわからない。「令和カルチャー」について喋ってほしいと編集の植田さんから要望されて集まったのですが、まだ見通しは立っていません。まずはおふたりの「令和カルチャー」に対する率直な感想を聞かせてください。
山内萌 わたしは1992年生まれなので、いわゆる「平成一桁ガチババア[★1]」の世代です。だから、令和カルチャーよりも平成カルチャーのなかで生きてきた感覚があります。どうしても平成生まれだなっていう自己意識のほうが強いんです。
森脇透青 ぼくもそうですね。1995年生まれですが、物心がついたころに観ていたテレビ番組といえば「エンタの神様」と「爆笑レッドカーペット」だった。
とらじろう どちらも、もう番組が終わってしまっていますね[★2]。そんなわけで、そもそも「令和カルチャー」とはなにかを確認するところから討議をはじめる必要があるわけですが、この言葉は、まだ社会で広く使われているものではありません。なので、まずはこの表現の発案者である植田さんを召喚して、この座談会の目指すところを明らかにしたい(笑)。
植田さん、そもそも「令和カルチャー」ってなにを指しているのですか。
植田将暉 割り込んでしまいすみません。そのままですが、令和になってあらわれてきた新しいカルチャーのことを意味しています。とくに2024年から25年にかけて、それまでとはどこかちがう、新しい文化や社会の動向が出てきたように感じていて。とりあえず、それを「令和カルチャー」と名づけました。
森脇 なぜ「令和」なんですか。ぼくは元号が変わることが、文化や社会の変化につながっているとはあまり思わないのだけど。



森脇透青

山内萌

吉田とらじろう

植田将暉
『ゲンロンy 創刊号』
- ついに発売!『ゲンロンy 創刊号』はウェブでも読める
- 【全文無料】『ゲンロンy 創刊号』編集後記|植田将暉+五月女颯+森脇透青+栁田詩織
- ヒューモアとしての菜食主義|河村賢
- 簒奪される空間体験|四宮駿介
- 口腔表現のルネサンス──なぜ若者は口で音楽を奏でるのか?|杉村一馬
- 共病のすすめ──フリーダ・カーロと病いを生きること|のしりこ
- 『ゲンロンy 創刊号』投稿論文──総評・投稿作品一覧
- 瀬戸内海に権利はあるか──つくられた海と「自然の権利2.0」|植田将暉
- 無垢なる自然よ現われよ──パソナの地域開発と淡路島|林凌
- 四国には日本のすべてがある|三宅香帆+谷頭和希+植田将暉
- 政治認識論の意義 惑星的なものにかんする覚書(6)|ユク・ホイ 訳=伊勢康平
- デジタル帝国と電車男──専制と民主主義のはざまで|李舜志
- はてなき天下の夢──現代中国の「新世界秩序」について|伊勢康平
- 陰謀論を育てる──ジョージアのディープな夢|五月女颯
- 新しい帝国とその時代|石橋直樹+伊勢康平+五月女颯+森脇透青+植田将暉
- 聖なるルーシと狂った夢──戦時下のロシアから|大崎果歩
- 天球から怪物へ──国学の図像的想像力|石橋直樹
- フィンガーメイド時代の芸術作品|布施琳太郎
- 陰謀の手応え──擬人の時代について|森脇透青
- 指先から考える──導入のための短い会話|森脇透青+布施琳太郎+石橋直樹+植田将暉
- タイのキャラクターとマイペンライにまつわる覚書、2025年版 タイ現代文学ノート #12|福冨渉
- 斉藤さんへ|伊藤亜和
- AIにメンケアされる私たち──感情労働はいかに代替可能か|佐々木チワワ
- The Streets Are Alright.──ストリートは反革命の場となるか|中村拓哉
- 令和カルチャーって、なに|森脇透青+山内萌+吉田とらじろう+植田将暉
- かわいいDIY|山内萌
- 【全文無料】創刊にあたって|『ゲンロンy』創刊号編集委員



