四国には日本のすべてがある|三宅香帆+谷頭和希+植田将暉

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2026年3月13日刊行『ゲンロンy』

 

植田将暉 今日は文芸評論家の三宅香帆さん、チェーンストア研究家で都市ジャーナリストの谷頭和希さんにお越しいただきました。

 テーマはずばり、四国。一説には、ゲンロンカフェ史上もっとも意味不明なイベントだと言われていますが、じつはこの3人はみな四国に縁があるんです。ぼくは1999年、香川県高松市生まれ。三宅さんは徳島ですよね。

三宅香帆 1994年の徳島生まれです。美馬市という、けっこう山がちな地域に生まれました。両親がともに徳島出身だったんです。そして2歳くらいのときに、親の仕事の都合で高知に移りました。そこから18歳まではずっと高知にいたので、今日は徳島と高知の担当としてやってきました。

植田 そして谷頭さんは。

谷頭和希 ぼくは1997年、池袋生まれで……。

植田 あれ?

三宅 シティボーイがいるぞ?

谷頭 そうです。都会人です。生まれも育ちも東京なのですが、じつは2年くらい前から香川県の丸亀市にも拠点をおいています。というのも、そもそも家系のルーツが丸亀市の沖合にある佐柳島さなぎじまにあって、ぼく自身も本籍地は瀬戸内海に浮かぶその島なんです。それが縁で、東京と香川で二拠点生活をはじめました。だから、おふたりは出身者から見た四国、そしてぼくからは移住者から見た四国を話せたらと思います。

植田 というわけで、ぼくと三宅さんは四国出身ですが、最近の四国事情はあまり知らない。一方谷頭さんは「Iターン」勢で、昔を知らないかわりにいまの四国に詳しい。四国をいろんな角度からを語るにはいい座組だと思っています。

 ……が、ひとつ大きな問題がありまして、登壇者には愛媛県を代表できる者がいない。もし愛媛からこれを読んでいて「それはちがうぞ!」と物申したくなった方がいらっしゃいましたら、ぜひゲンロン編集部の植田あてにお手紙をください。いつか反論企画をやりましょう。

四国とはなにか

植田 それでは本題に入っていきたいのですが、まず、そもそも四国とはなにか。この問題をひもとくために、まずは四国の地理的条件を見ておこうと思います。そのとき、ひとことで言えば、四国とは「山、海、平野」なんです。

図1 山と海が近い、四国らしい景色。愛媛県八幡浜市にて

 はじめに、山があります。四国のまんなかには、四国山地というでかい山々が東西に横たわっています。このイベントに先駆けて、はじめて「四国」を国語辞典で引いてみたのですが、たとえば『精選版 日本国語大辞典』ではつぎのように説明されています。

三宅香帆

94年生。文芸評論家。京都大学人間・環境学研究科博士後期課程中退。リクルート社を経て独立。主に文芸評論、社会批評などの分野で幅広く活動。著書に『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)、『「好き」を言語化する技術』(ディスカヴァー携書)、『考察する若者たち』(PHP新書)など。

谷頭和希

97年生。都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。早稲田大学教育学術院国語教育専攻修士課程修了。著作に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(集英社新書)、『ニセコ化するニッポン』(KADOKAWA)など。

植田将暉

1999年、香川県生まれ。早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程。専門は憲法学。おもな著作に、「21世紀の「自然の権利」と大地の人類学」(『文化人類学研究』25巻)。ゲンロンでは編集と企画、ウォッチなどを担当。メディア研究者の山内萌とYouTube番組「今週の人文ウォッチ」を好評配信中!
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